変形性頚椎症とは?
頚椎や椎間板の変性によって生じた骨棘(こっきょく:骨の一部が骨端部付近で棘状に突出したもの)が神経や脊髄を圧迫する病気です。椎間板ヘルニアは青壮年者(主として、16歳から50歳くらいまで)に多いのに対して、変形性頚椎症は壮年期以降(お年寄り)に多いです。 神経の圧迫では、肩や肩甲部、上腕の神経痛や手指にしびれが現れます。 脊髄の圧迫では、痛みよりはむしろ、手足のしびれ、手指の使いにくさ、歩行障害などの症状が現れます。
診断
頚椎のレントゲン撮影、CTスキャン、MRI、造影検査などを用いて行います。症状の原因部位を的確に診断することが重要です。
保存的治療
神経症状の多くは、カラー装着(下図)や薬物治療で改善しますが、変形性頚椎症では牽引療法の効果はそれ程期待できません。他方、脊髄症状は各種の保存的治療に抗して進行する場合が多いので、治療には慎重な判断が必要です。
手術治療
症状の悪化や改善のない場合に必要になります。手術はMD法(別ページに説明あり)にて行い、変性した椎間板と共に神経や脊髄を圧迫している骨棘を丁寧に取り除きます。さらに、椎間板を摘出した部位にはセラミック人工骨を移植して、頚椎を固定します。術後翌日には、カラーを装着して離床を開始します。変形性頚椎症の方で保存的治療が無効で、四肢の痛みやしびれ、運動障害に悩んでいる方は脊椎外来(別ページに説明あり)まで気軽にご相談下さい。
このページは以下に掲載された記事より抜粋して再掲したものです。
平成13年10月29日発行ふれあい第4号脳神経外科講座より