脳卒中の種類
脳の血管が破れるか詰まる等で、様々な障害を起こす病気です。
主に、
- 脳梗塞(脳の血管が詰まる)
- 脳出血(血管が破れる)
- くも膜下出血(動脈瘤が破れる)
の3つに分類されます。
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脳卒中に関するデータ
主な死因別にみた死亡率(人口10万対)の年次推移
※2021年人口動態統計月報年計(概数)の概況
脳卒中(脳血管疾患)は日本人の死因の3位です!
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要介護度別にみた介護が必要となった主な原因の構成割合
※国民生活基礎調査(2019年)データ
要介護度の高い群では、その原因となる疾患でもっとも多いのが脳卒中です!!
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脳卒中入院患者数
当院では年間500~600名が脳卒中で緊急入院しています。また、グラフからもわかるように、その数は増加傾向にあります。
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疾患内訳および受診経路
脳卒中で入院された方のうち疾患内訳は以下の図の通りです(図1)。また、救急車で来院された方は49%です(図2)。「脳卒中を起こしたら動かしてはいけない」というのは大きな間違いです。一刻も早く専門病院での治療が必要で、できる限り早く治療を開始するほど、良い治療結果が期待できます。特に脳梗塞の場合には、発症してから数時間以内に治療を開始すれば、症状を早期に回復させ、後遺症を最小限にくいとめることができる可能性があります。
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脳梗塞の超!!急性期治療!!
血栓溶解療法(t-PA治療)とは?
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脳梗塞は脳の血管に血栓(血の塊)が詰まり、脳に血液が送られなくなる病気です。t-PA は脳の血管に詰まった血栓を溶かすことで、脳血流の改善が期待される治療です。時間的に制限があり、発症してから4.5時間以内が適応とされます。しかしながら、特に太い血管の閉塞による梗塞の方にはほとんど効果がないともいわれ、脳梗塞治療の課題でした。
血栓回収術とは?
太い血管が詰まるような大きな脳梗塞の際に、血栓回収術により詰まった血栓を体外に取り出すことにより血管を再開通させます。鼠径部(足の付け根)や肘の動脈から挿入したカテーテルを用いて治療を行います。現在、重篤な脳梗塞の場合の最も有効な治療方法とされています。時間的に制限があり、原則、発症してから8時間以内が適応とされます。
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治療用カテーテルは直径約3mm。脳梗塞の血栓の除去や動脈瘤コイル塞栓術、血管拡張手術など、様々な血管内治療に用いられます。
当院の治療実績
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脳動脈瘤とは?
脳動脈瘤とは、脳の動脈の壁の一部が風船のように膨らんでくる状態です。人口の約2~6% 程度の人にあると言われており、ほとんどの人は無症状で一生経過することが多いといわれています。しかしながら一旦、脳動脈瘤が破裂するとくも膜下出血を起こしてしまいます。くも膜下出血を起こしてしまうと1/3の方は、治療の有無にかかわらず命を落としてしまうとされます。また、1/3はなにかしらの後遺症を残すとされ、破裂する前と同じような生活が出来るのは1/3程度と非常に大変な病気です。
※脳動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血が起きます。
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脳動脈瘤の外科治療
外科治療には次の2種類があります。
クリッピング術(開頭手術)
開頭手術により動脈瘤の首根っこの部分を金属(チタン)の小さな洗濯ばさみのようなクリップで閉塞させ破裂を予防する方法です。
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カテーテルを使用するコイル塞栓術(血管内手術)
頭を切ることなく、足の付け根からカテーテルを挿入し動脈瘤内まで細いカテーテルを挿入し、そこからプラチナ製の細くて柔らかいコイルを動脈瘤内に充填し、破裂を予防する方法です。
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開頭手術、血管内手術どちらの方法が優れているというわけではなく、個々のケースに応じて選択されます。当院はどちらの手術も対応可能です。動脈瘤は脳ドックにより事前に発見し、動脈瘤の破裂を防ぐことが重要です。定期的に脳ドックを受けましょう!
脳卒中は時間との勝負!!
脳卒中の症状を見逃さない!!
FASTと覚えてください!
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脳梗塞の前触れ、一過性脳虚血発作とは!?
あるとき突然、症状が起こり、数分から数時間で消えたら脳梗塞の前兆かもしれません! 症状が消えた場合でも、「気のせい」などとは思わずに、すぐに脳卒中の専門病院に受診することが必要です。
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